研修期間の設定を考える場合、当然ながら繁忙期を外すのがベストとなります。人の活用となるとつい繁忙期にあえて入れたがるのですが、その場合ただひたすら労働に忙殺されて肝心の学びの部分に関して、予習や復習などを行う時間が減ってしまいます。これは残業などが増えることにより結果的に発生するもので、やはり人間ですから疲れていると余裕がなくなるのです。また繁忙期となると教える側も余裕がなくなってしまうため、研修作業を行っているだけの時間が確保できません。現場で働かせることはなんとかなっても座学などの時間はとれませんから、バランスの悪い研修となってしまいます。 繁忙期を外すことで得られる大きなメリットはやはり実際に研修を受ける個人について教える側が深く知ることができるという部分です。個人の能力の伸びや適性などをチェックし正確な診断を下すことができるため、研修によりどれくらい伸びたか、その後の伸びしろまである程度予測することが可能となります。そうなれば研修後の配属先であったり役職としてどのような役割がベストかなど、あらゆる情報がまとまり業務全体の作業効率の向上につながるのです。こうした事情から繁忙期ではない時期の研修がベストと言われています。
それぞれの企業によってどのようなタイミングで人事異動を行うかは異なりますが、それらの時期に合わせて研修を行うのがベストであるというのは疑いありません。研修によって企業側が何を求めているかと言えば、本人の適性判断もそうですが今後の仕事に慣れて貰うということが一番大きな理由でしょう。研修時期を人事異動の時期と大きくずらしてしまうと、研修で学んだことを忘れてしまったり、せっかくできた上司などとのつながりが次の人事異動でいきなり断たれてしまったり、様々なリスクを抱えてしまうことになります。これを防ぐために人事異動に合わせるのです。 人事異動の時期と合わせるメリットは、社員それぞれの役職に応じての研修を同時に行うことができるという部分が代表的です。新人から中堅、ベテランなどの社員は新しい役職につけば当然ながらそれまでとは異なる仕事をすることになります。それぞれが慣れなければならない立場で更に新たな部署などで別の人間関係の構築にまで努めなければなりません。その予行演習として事前に新しい部署などでの仕事を知りつつそこで今後一緒に仕事をする社員と知り合いになることで、その後の人事異動後の仕事についてもスムーズに運ぶようになります。
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